インストラクション研修

先週は木曜なのに金曜のような気がしてならず・・・翌日は金曜なのに土曜のような気がしてならずで、世間もお花見日和でフワフワした春の陽気を感じます。

そんな3月最終日は、平日感ないまま社内研修を実施いたしました。

来年度から新たにインストラクタとしてのキャリアをスタートする3名を対象にしたインストラクションの研修です。

新卒ではなく、これまで事務職や営業職などのキャリアがある方々とあって、発想や言い回しに職業的な背景が反映されるもので、お互いの差異を楽しんだ時間でした。

インストラクタは知識のインプットとアウトプットのプロとして、職業的な成長や自己実現の度合いが個性として現れる面白さがあります。👈これはまた別の機会に記事にしますね。

吉田はこの業界に25年(四半世紀💦💦)ほどおりますが、この間のIT分野の発展や環境変化はすさまじく、インストラクタ像も時代によって随分と変化してきました。

今回は、何故か急に思い出した歴史を振り返って、記事にしようと思います。

インストラクタの歴史

歴史と言っても、私が見てきたのは1997年から現在までのOffice教育の分野に限った世界で、偏りがあるのは多方面の情報から補正してくださいネ。

1995年にWindows95が発売されてから15年ほど、Microsoft創業者ビル・ゲイツ氏の夢「世界中の家庭にPCを」というビジョンが浸透していく過程がありました。

今ならネットに学習コンテンツが豊富にありますし、書店でパソコンのコーナーに行くと多様なニーズに対応した書籍が多く販売されていますが、かつてはそうではありませんでした。

ベンダーも、ソフトウェアを普及していくためにはユーザーを育てる必要があり、各ベンダーごとに〇〇社公認インストラクターの資格を設けられておりました。

パソコン教育のニーズの高まりから町のいたるところにパソコン教室ができ、そこに在籍するインストラクタの職業需要が生まれました。

MOT(マイクロソフト公認トレーナー)の歴史

MOT(Microsoft Official Trainer/マイクロソフト公認トレーナー)という資格があり、難易度も需要も両方とも高く「教えるレベル」を目指す資格として、かつては人気がありました。

この資格試験は、時代やバージョンによってその内容を大きく変え、現在もMCTとして存在しているそうです。(現在の制度や内容については、私はよく知りません。)

独断と偏見で、その変遷を3時代に分けるとすると・・・

1.0時代:2000年~(MOT2000、MOT2002、MOT2003)

誰もがWordやExcelを学習せねば!と考え、パソコン教室に通った時期にあたり、MOTの資格はMOS試験(当時はMOUS)の上位資格としての位置づける向きもありました。

書店にはようやくWordやExcelの本などが出てきた時代でした。その前はソフトウェアを購入したらついてい来る辞書のようなマニュアルが教則本でした・・・。

当時のインストラクタは、情報感度の高いいわゆる「アーリーアダプター」が多かったような印象を持っています。何を聞かれても答えられる人材を目指して吉田も学習に励みました。

ソフトウェアや操作に関する「知識」に価値があった時代です。試験内容は「実務的な操作をする試験と口頭の筆記科目とインストラクション実技」だったカナ・・・。

2.0時代:2007年~(MOT2007)

WordやExcelは普及が進み、インストラクタの価値は「保有知識」をベースにして「教え方」へとシフトしていきました。インストラクタが教授スキルの高度化を目指した時代です。

体系的なインストラクタのスキル標準が策定され、試験内容もそれに基づいた「実務的な操作をする試験と知識(MOS試験5科目)とインストラクション実技、研修受講」でした。

このスキル標準は、直接的な教授スキルに加え、コース設計やレッスン設計、研修の企画提案からプロジェクト管理まで、インストラクタの職掌にあるスキルを幅広く定義したものです。

とても良くまとめられており、現代語訳を必要とする(なんせ15年前に策定)ものの有用で、今回の社内研修でもチェックリストのベースとして活用しています。

3.0時代:2010年~(MCT)

WordやExcelの市場浸透は達成したという判断かMicrosoftのTrainingはオンラインコンテンツに移行し、インストラクタも役割を1つ終えた感がありました。

プログラミングやネットワークなどの高度な専門職に進む人や、ファイナンシャルプランナーやキャリアコンサルタントなどの資格を取得してキャリアを広げた人も多くおられました。

何れも、これまでのインストラクタ経験から培ったITに関する基礎知識と継続学習力、伝達力や傾聴力などの対人スキルを活かしたスキルアップだと思います。

受験者の減少からか試験はなくなり「MOS試験?科目と研修受講」で認定する制度となり、MOT2007で策定されたスキル標準などの指標もお蔵入りしたようです。

インストラクタの現在とこれから

かつてインストラクタが果たしてきた役割は細分化し、学校や企業研修での非常勤講師ほか、一部はエバンジェリストになったり、ヘルプデスクになったりしています。

また一部の役割はGoogle先生やYahoo知恵袋、Youtuberなどが担うようになり、いま話題のChatGPTなど自然言語AIにも大きな期待が集まるなど多様化しています。

また、ITの分野はコミュニティによる学習が活発で、そこでは全員が教授者でもあり学習者でもあり、役割を変えながら実務による気付きを共有しています。

クラウドサービスの機能などは全域を学習することは現実的に不可能でもあることから、これまでの様に専ら教授する役割と学習する役割に固定することは難しい時代でもあります。

これまでインストラクタが磨いてきたスキルは、インストラクタだけのものではなく、業務に従事する方すべてが持つべきスキルとしてアレンジしていくべきだろうと考えています。

この辺りの未来予測は、深い考察と字数を要すると思います。日を改めて記事にしますね!

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