105期生はすべて科目の最終日はアウトプットということで、5月31日から6月1日にかけて、プレゼン大会を開催いたしました。
アンケートフィードバックよって質疑応答の時間も盛り込むこととなり、当初は1日の予定が翌日に延伸して2日がかりでのイベントに。
毎期とも盛り上がるイベントですが、今回はプレゼン実施後のまとめにも時間をかけることができ、学習をより深めることができました。
1.ワークの目的
PowerPointの機能構成は①基本操作、②スライド操作、②コンテンツ作成、④プレゼン全体のデザイン、⑤動的効果、⑥アウトプットと、ほかのソフトウェアに比べて多くありません。
ただ、アニメーションの機能1つをとっても選択肢が非常に多く、効果のオプションも含めてこれらをすべて実行する時間はありません。
プレゼン演習を通じて、発信したい内容に合わせたこれらの設定を多く確認し、クラス全体で共有するという目的でプレゼン大会を企画しました。
2.ワークの内容
プレゼンテーションの要素である①シナリオ、②コンテンツ、③デリバリーの3点を意識し、学習を進めていくようワークを設計しました。
■ プレゼンテーションの3要素のポイントをつかむワーク!
- 目的:よいプレゼンテーションには何が必要なのか?を理解する!
- 課題:熱をもって語れるものをテーマに、その価値を理解してもらおう!
- 作成:作成とリハを繰り返してブラッシュアップしていこう!
- 発表:クラス全体にプレゼンし、全員からフィードバックをもらおう!
- 学習:・オーディエンス目線から「良いプレゼン」とは?
・プレゼンターとして「自分の評価点と改善点」は?
課題全体を通して、隣席の方とペアワークとし、相互に教学するスタイルです。
プレゼンコンテンツは、あくまでプレゼンテーションを支えるものですから。実際にプレゼンを経験してこそ、多くのコンテンツ作成のポイントを押さえることができると考えています。
■ 個性的な発表の数々・・・
全てのプレゼンテーションが個性的で、その人となりをよく表したものばかり。クラス全体もそれを楽しんでいるのがよくわかりました。
オーディエンスとして吉田が感じたのは、「人の欲求に訴えるプレゼン」の訴求力です。それに合わせて、勝手に5分類させてもらいました。
分類1:人は知りたい!(誰かの〇〇感を自分も味わいたい)
プレゼンテーションとは、オーディエンスより先にプレゼンターが経験したこと(5感を通じて取り入れた〇〇感)を、視覚と聴覚という2感を通じて表現する行為だと思います。
- おすすめの国内ドラマ:ドラマの見どころ、自分の視聴感を伝える
- ぶちあつにハマっていること:サッカー観戦の楽しさ、自分の観戦感を伝える
- Stephen Curry:このNBA選手がいかに凄いか、自分のリスペクト度を伝える
- おすすめスマート家電:いかに便利か、自分の使用感を伝える
オーディエンスが、プレゼンテーションを通じてプレゼンターの疑似体験をした結果、「自分もそれを経験したい!」と思えばプレゼンは成功ですね。
分類2:人は知りたい!(誰かのおいしいを自分も味わいたい)
色々な感覚の中でも、人間の3大欲求の一つである食事を司っている「味覚」は、視覚と聴覚でもって伝わりやすいものだと思いました。
- 茶の環で楽しむ本物の抹茶:会社愛と商品愛を背景に抹茶の味わいを伝える
- 美味しい日本酒を飲もう:日本酒愛と知識を背景におすすめの日本酒を伝える
- お好み焼きソースのあれこれ:知識を背景にお好み焼きソースの商品特徴を伝える
- ぷよぷよの興亡とまんじゅう復刻:商品愛を背景に商品特徴を伝える
実際に、プレゼン後の質疑の時間では、「それはどこで経験できますか?」「どうやって手に入れることができますか?」というものが多くありましたね。
分類3:人は深く知りたい!(より詳しく知りたい)
どの世界でも究めた先に達人の域があり、それを通じて自分と向き合って自分と技術を高める過程を「〇〇道」と言って体系化していく東洋的発想がありますよね。
- 合気道入門:より深い知識を背景に有段者が伝える
- 中国茶ってなぁに?:より深い知識を背景に有資格者が伝える
- 声楽の世界へようこそ:より深い知識を背景に元プロが伝える
- ダーツの魅力:より深い知識を背景に未来のプロが伝える
その世界観もやはり達人が感じている〇〇感によって、素人でも少し感じることができるのだと思います。専門家にどのような世界が見えているのか?私たちの求知欲求を刺激しますね。
分類4:人は人というものも深く知りたい!(他人を通じて自分を知りたい)
扱うテーマが生活や人生や人間そのものなど、スケールが大きかったり、人生観などの深い価値観に根付いたものにも惹きこまれますね。
- きょうのわんこ:愛するペットの関係とその深さ、自分への影響を伝える
- Born This Way:アーティストの人生と曲の意味、自分への影響を伝える
- 未来創造ライフハック:漫画の世界感と人生訓、自分への影響を伝える
- 「自分」構造化:交流分析と、自分のコミュニケーションスタイルを伝える
人間は、自分以外の何かを通じて自分そのものを表現したり探求したりする、根源的な欲求を持っていますね!
分類5:人は楽しみたい!(理屈なし!脊髄反射!)
ゲーミフィケーションだとか?ゲーミング理論とか?ファンセオリーとか、、、色々体系化された楽しめるようにする仕組みがあるくらい。私たちは楽しむことが好きですね!
- モモンガの魅力:世界観を面白おかしく伝えて笑いを取りに行く
- 死亡フラグを立てないで:自分の笑いのツボで相手を刺激する
- ゲームで学ぶ異文化理解:陣内智則的ひとりコントで伝える
- 知って得しないダチョウ雑学:長洲小力的コンテンツ再利用で伝える
楽しいことに没頭する時間は、それ以外のことは忘れる没入感がありますね。笑いにはすべてを陽に変える強力な力と難しいことはどうでもよくなる副作用がありますね💦
3.ワークの成果
全員の発表のあと、印象に残ったプレゼン3つとポイントを共有して、「良いプレゼンテーションとは」というテーマで学習内容をまとめて共有しました。
色々な視点から幅広くノミネートされていて、まとめることは難しいものがありますが・・・
■ オーディエンスを「自分も経験したい!」に変えるには
皆さんが書かれた多くの学習のまとめコメントをまとめると・・・
- 伝えたいことを明確にして、情報を絞ってシンプルに
- 参加させる工夫をし、相手の興味関心を引きつけ、飽きさせない展開
- 実物を経験させることは、有無を言わさぬ説得力
シナリオもコンテンツもデリバリーも、オーディエンス目線に立って「解りやすい、見やすい、聞きやすい」を意識することですね!
ほか、よくあがっていた質問に「どうしてそのテーマを選んだのですか?」というものがありました。「プレゼンターにとっての価値」を知りたいという欲求の表れだと思います。
■ 誰かの「自分にとっての価値」は「私にとっての価値」に
誰がやっても同じではなく、その人だからこそのインパクトって大きい・・・
- 「自分の体験談」がベースになったストーリーは訴求力がある
- それも、より「自分だけ」というレア度が高いほど惹きつける
- プレゼンテーションのテーマを選定する段階から個性が表れる
プレゼンターの生活や人生にとってどれくらい重要か?という熱量は、オーディエンスの価値観まで揺さぶる可能性を持っているということですね。
どのクラスもそうなのですが、このイベントの後はクラスの雰囲気がガラッと変わり、皆さんのびやかに発信されるようになると感じています。
個人個人の輪郭もよりくっきりしたような感覚を得ますが、本人さんが教室を見るときの風景も少し変わったのだと思います。
まずは教室内で「ジョハリの窓が少し開いた!」感覚を覚えてください!
今回のワークは、市民開発アプリを作成して学習成果の向上を図りました。これは次回の記事でご紹介しますね。
引き続き、「自分」と「世界」に「沢山」の「発見」をご一緒しましょう!