隅田です。
前回に引き続き、第9回の職業レポートです。
今回は、101期卒業生の874さんにお越しいただき、現職での話や近況報告など、ビットゼミ卒業後の様子を発表していただきました。
ITのバックグラウンドをお持ちでない事務職の人ですが、現在、市民開発者になるべく勉強を積んでいらっしゃいます。そんな「生の声」を103期生に届けていただきました。
市民開発者を目指した経緯
874さんは、ビットゼミが最初の職業訓練校だったわけではなく、学び直しのために職業訓練を利用されていたようなのですが、大阪で簿記の学び直しをしていた時に「オズボーン博士が発表された消える職業ランキング」の存在を知ったそうです。
曰く「総務経理をなりわいにしていたのに、自分の職域が100%ランクインしていることを知って、自分の職業人生に「明るい未来」が描けなくなった」とのことでした。
その後、追い打ちをかけるかのように、大阪のシステム開発会社で、会計の基幹システム開発に経理の立場から携わった時に、会計のDX化を目の当たりにして「経理担当ってもういらなくなる」と実感することになったそうです。
その背景もあり、広島に帰って来て再就職した不動産会社では、Excelを使って業務効率化を試みてみたものの、同僚のおばちゃんたちにとってみれば「業務を効率化させる」ことは「自分の仕事を奪われてリストラされる」という感じで、全否定されました。どの職場でも周囲の理解を得るのは苦労する部分だと思います。
結局、IT化下剋上が失敗して、総務経理から、管理物件の草刈りやメンテナンスをして回る部署へ異動を内示されたので、断腸の思いで退職をご決断されたそうです。
ご退職後、離職票を出しにハローワークに出向いたところ、その前日に公開されたばかりの「市民開発者養成科」の募集要項を見つけられたそうです。
オズボーン博士が「あなたのやってる仕事は消えちゃうよ~」というなら、「仕事を消す側に回ってやる!」といった弱肉強食的な夢がかなえられそうな訓練で飛びつきました。
ハロワに行くのが2日早かったら、募集要項を手に取ることはなかったと思います。奇跡的な出会いです。
こうして、ビットゼミで市民開発者としての道を歩くことになったのでした。
市民開発者の就活
恐らく、多くの方が気になっているであろう「就職活動」について、874さんよりアドバイスを頂戴しました。103期生が欲しい情報だったのではないでしょうか。
この「市民開発者養成科」を修了してスキルを身に着けたとしても、まだまだ「市民開発者」という言葉もローコードツールも思っているほど浸透していません。つまり、我々が活躍できる場所が少ないという問題があります。
いきなり「御社で業務改善したいです」とアピールしても、目の敵にされるか相手にされないかのどちらかです。
経理ができるおばちゃんなんて、掃いて捨てるほどいるので、この応募者にかけてみよう!と思わせる付加価値として市民開発をアピールしました。
応募先には「市民開発は今はできないけど、3年後にはできるようになる予定だよ」とだけ付しておいたと言います。「業務改善できる人」を募集しているわけではない企業に対しては、これくらいで良いのだと主張されています。
874さんは「業務改善して退職に追い込まれてしまった」人でもあります。その失敗を繰り返さないためにも、未来の市民開発者に対して心得て欲しいことを3つ挙げていただきました。
まずは自分に与えられた仕事を覚えてください! 現場の仕事を理解しないと市民開発はできません。次に、その仕事できちんと結果を出してください。自分の仕事を満足にできない人に開発なんて任せられません。日常の仕事で一目置かれるようになれば、自然と発言権を与えられます。ここからが勝負です! 社内営業力を駆使して、思う存分、市民開発者としての提案をしていってください。
活躍のチャンスを与えられる日が来るまで、コツコツと実力を身に着けておくことが大切です。我慢の日々が続くと思いますが、結果を焦らないように、私からも皆さんに心がけておいて欲しいと考えています。
市民開発者を目指した継続学習
最後に、「アウトプット」に焦点を絞って継続学習の助言を賜りました。
無料ブログのサービスを利用しても構いませんが、学習したことを多くの人に見てもらえるように、市民開発者.com やリカレント学習コミュニティを利用してもらえたらと思います。周囲には同じく市民開発者を目指す仲間がいますし、恩師である豪先生もいます。詳細はホームページをご覧ください(リンク参照)
874さんは、今となっては考えられませんが、101期修了直後に弊社が開催したJPAUG広島での登壇を断るような人でした。「成長したな」と言うと、上から目線となってしまいますが、同じく継続学習中の人間として尊敬できる方だと思っています。
引き続き、ビットゼミをよろしくお願いします。